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なぜ製造業がマテハンの改善に取り組むべきなのか?

Smart logistics column

マテリアルハンドリング(通称マテハン)は、構内物流においてモノを運ぶ荷役業務を指します。
製造業における工場内物流や、物流倉庫等ではマテハン機器の導入により効率化や業務改善が日々行なわれています。
改めて製造業の企業がマテハン分野の改善に取り組むべき理由を整理します。

製造業ではマテハンはノンコア業務だが、
負担の割合が大きい。

業態にも寄りますが、工場でモノを製造する際にノンコア業務であるマテハン(荷役)業務が、25%の労働力を占め、55%の工場のフロア面積を専有し、製造原価において30~70%程度のコストを占める可能性があると言われています。

これだけ大きな負担は、企業にとって利益率及び価格競争力を左右するものと言わざるを得ないでしょう。
そのため、マテハンを改善するためのマテハン機器への投資は積極的に行なわれています。

現在製造業は、
3つの圧力に晒されている。

圧力1.労働力の減少

他の先進国と同様、日本は既に人口減少社会に突入しています。工場での荷役作業を担う若い労働力は確実に減少しています。
外国人労働者の増加により補うという施策も考えられましたが、新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、現在国家間の人の移動は滞っている状況で、この先しばらく見通しが不安定な状況が続くでしょう。

圧力2.人件費の高騰

内閣府の統計によると、日本ではこの40年間で物価がほとんど変わっていません*。

*参考:内閣府「平成24年度 年次経済財政報告ー物価」
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je12/h10_data05.html

しかしながら、40年で最低賃金は時給400円前後から2倍以上に上昇しています。
さらに、様々な業界が人の取り合いをしている中で、肉体への負担が大きい荷役業務では給与額が高騰している傾向があります。

圧力3.競争の激化

競争相手は国内だけではありません。日本とは異なる条件で運営されている海外メーカーとのグローバルな競争に晒されています。

日本は巨大な内需によって市場形成されていることが強みでしたが、人口減の社会では内需も目減りし続けます。

競争の中で利益を伸ばすには、コスト削減やタイムリーで素早い供給体制の構築などが求められることでしょう。

モノを運べないと、モノが作れない。
現実問題としての人材不足。

どれだけ素晴らしい生産設備を揃えても、その設備に材料を流し1本に繋げなければ製造はできません。
しかし現実問題として、設備と設備の間でモノを受け取り・運び・プロセスを繋げるマテハン部分において人手が足りていません。

これはモノを運ぶ構内物流の人材不足が、生産力のボトルネックとなり得るということです。

  • 顧客の要請に応え、より多くを製造するため製造ラインを増やしたい、しかし人が足りない
  • 新工場を立ち上げたい、しかし人が集まらない
  • 一次的な生産増に対応するため人を増やしたい、しかし集めるのは一苦労
  • 集めた人には教育コストが掛かり素早い立ち上げができない

このような問題の解決には、より高度に人の仕事を代替する/省人化できるマテハンの導入が有効です。

自動化による省人化が進む
製造業

完全自動製造(ライトアウトマニュファクチャリング)に取り組むメーカーもあります。
電灯を消した状態で稼働できる=無人で製造できる工場という概念で、24時間ロボットが稼働し製造を継続します。

これを大量生産の固定的なプロセスだけではなく、保守パーツの製造に適用する事例も生まれています。 自動車業界のHIROTEC AMERICAでは、自動搬送ロボット(AMR)OTTOにマニピュレータを取り付け、マテハンから製造工程をシームレスに繋ぎ、24時間無人の自動化製造を実現しています。

多くの企業でも自動搬送ロボット(AMR)の導入により、完全自動製造までは行かずとも、プロセスから人の関与を減らし、省人化に対応し、効率を向上させ、将来に渡っての競争力の確保が可能であるということを立証しています。

まとめ

製造業においては構内物流の最適化が、人口減少社会における事業の継続性及び競争力を産み出すことに繋がります。そのため、製造業のお客様は、今のプロセスの改善の延長だけでなく、マテハンについても自動化・システム化を進めていくことをお勧めいたします。

製造業におけるマテハン改善のソリューション

自動搬送ロボット(AMR)

自律型搬送ロボット、次世代型AGV等とも表記されます。
自動搬送ロボットは、従来型の自動搬送車(AGV)と異なり、床に磁気テープ等のガイドも不要で、構内の地図データを持ち現在地を把握し、人やモノとの衝突を避け、自分で通る道を決めてモノを運びます。

「A地点からB地点まで移動する」というようなシンプルな行動に留まらず、「A地点でモノを受け取り、B地点に運び処理を待ち、空のカートを回収し、またA地点に戻り次のジョブを処理する」といったプロセスを、直感的なUIで容易に指示することが可能です。

それらは中央管理システムにより監視され、効率性をトラッキングするデータ収集及びレポーティングも自動で行なわれます。製造業におけるカイゼンの文化をロボットも踏襲できるということです。

自動倉庫(自動保管庫)

自動倉庫は、限られたスペースでの収納率を最大化し、人に依存しない収納物管理を実現します。

原料、パーツ、治具・工具の保管にスチールラック等の棚を用いている場合、入出庫の管理に自動倉庫システムを導入することで効率化を図ることが可能です。

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