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構内物流における
自動搬送ロボットの6つの活用例

自動搬送ロボット

工場や物流倉庫では、製造・検品・梱包などの作業だけでなく、その工程と工程の間で「モノを運ぶ」作業が数多く発生しています。
こうした搬送の一部を自動搬送ロボット(AMR)に任せることで、人は商品のピッキングや組み立て、検品など、人が行う必要性の高い作業に集中しやすくなります。
本記事では、物流倉庫と製造現場を中心に、AMRの代表的な6つの活用例をご紹介します。

目次

AMRは「切断されたプロセス」を人の代わりにつなぐ

構内物流において、各作業工程は自動化されていたとしても、工程と工程の間をつなぐ「搬送」は、まだ人が担っているケースがあります。
例えば物流倉庫では、「棚から商品をピッキングする」「検品する」「梱包する」といった各工程の間で、作業者が台車を押して搬送を行っていることがあります。
製造業でも同様に、加工機や検査装置は自動化されていても、半製品や部品を次の設備まで運ぶ作業に人手が残っていることがあります。

入庫から出庫までの工程の間を搬送がつなぐ工程図

AMRが得意なのは、このような「A地点からB地点へモノを移動する」工程です。
人が担っていた「搬送」作業をAMRに任せることで、工程全体を無人化しなくても、省人化や生産性向上を図ることができます。
現在ではAMRの対応範囲も広がっており、軽量物のピッキング支援から1,000kgを超える重量物搬送まで、様々な用途で活用されています。
また、コンベヤや生産設備、WMSなどと連携することで、搬送だけでなく受け渡しまで自動化することも可能です。

AMRの6つの活用例をご紹介

では、具体的な活用例を挙げてご紹介いたします。

活用例主な現場自動化する作業製品例
1. ピッキング支援物流倉庫・3PL注文・容器の搬送、作業者の歩行削減CARTI 100
2. ピッキング後の搬送物流倉庫・3PL荷揃え・検品・梱包工程までの搬送CARTI 100
3. パレット・重量物搬送物流倉庫・製造フォークリフト等が担っていた水平搬送CARTI Low-Profile / OTTO
4. 製造工程間搬送製造業半製品・ワークの工程間搬送OTTO / MagicPorter X
5. 材料補充製造業ワークセル・組立ラインへの部品供給OTTO / MagicPorter X
6. 設備間の自動搬送製造業パレタイザー・包装機等の設備間搬送OTTO / MagicPorter X

※上記は代表例です。
実際に適する機種は、搬送重量、荷姿、通路幅、受け渡し方法、必要な停止精度、既存システムとの連携などによって異なります。

活用例1.物流倉庫のピッキングを支援する

物流倉庫では、ピッキング担当者が注文商品を集めるために、棚から棚へ長時間歩くことがあります。
商品を取り出した後は、台車を押して次の棚へ移動し、ピッキング完了後には検品・荷揃え・梱包エリアまで商品を運ぶ必要があります。

このようなケースにおいて、「商品を探す」「数量を確認する」「棚から取り出す」といった判断が必要な作業は人が担当し、「商品や容器を運ぶ」「次の作業場所へ搬送する」といった単純な移動部分をAMRに任せる方法があります。

例えば、作業者を担当エリアごとに配置し、複数台のAMRが順番に作業者のもとを回る運用にすることで、作業者が注文ごとに倉庫全体を歩きまわる必要がなくなります。

AMRが荷揃え場に商品を届ける
作業者がピッキングしタブレットでAMRを呼ぶ
AMRが商品を取りに来る
作業者がピッキングし、タブレットでAMRを呼びます。商品を取りに来たAMRが、荷揃え場に商品を届け、搬送を完了します。

このようにAMRを活用することで、長距離の歩行という身体的負荷の軽減かつ、作業者は自分の担当エリアでピッキングに集中できるため、作業効率の向上にもつながります。
人手不足が課題となる物流倉庫では、作業者をゼロにするのではなく、AMRによって移動や搬送を減らし、1人あたりのピッキング処理能力を高める使い方が現実的です。

この活用例のポイント

  • ピッキング担当者が台車と一緒に倉庫内を長距離移動する時間を減らせる
  • 商品を取る作業は人に残し、移動・搬送部分から自動化できる
  • 既存棚を活かした段階的な自動化を検討しやすい

このような活用でお勧めの製品

CARTI 100は最大100kgを積載でき、既存のインフラを大きく変更せずに導入できるAMRです。
EC、小売、軽作業物流などでの利用を想定しており、WMS連携の有無にかかわらず運用できる構成が用意されています。

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活用例2.ピッキング済み商品を検品・梱包工程へ搬送する

ピッキング作業そのものを大きく変えなくても、ピッキング済みの商品を荷揃え場や検品・梱包工程まで運ぶ作業だけをAMRへ任せることができます。

通常の現場では、ピッキングが終わるたびに作業者が台車を押して検品場所まで移動し、空の台車や容器を持って再びピッキングエリアへ戻る必要があります。
このような往復が多い現場では、商品を載せたAMRを次工程へ送り、入れ替わりに別のAMRや空容器を作業者側へ回すことで、ピッカーが担当エリアを離れる回数を減らせます。

AMRが再びピッキングエリアへ戻る
AMRが目的地に商品を運ぶ
作業者がピッキングしAMRに指示する
作業者がピッキングし、次の工程に運ぶようAMRに指示します。AMRは目的地に商品を運び、再びピッキングエリアへ戻ります。

この方法は、ピッキングの手順や棚配置を大きく変更せずに、まず搬送工程から自動化を始めることができます。
初期導入として「ピッキング済みの商品を次工程へ運ぶ」部分からAMRで自動化し、運用に慣れた段階でピッキングアシストまで対象を広げるなど、段階的に自動化を進めることも可能です。

この活用例のポイント

  • ピッカーがピッキングエリアと検品・荷揃え場を往復する時間を削減できる
  • 現在のピッキング方法を大きく変えずに導入しやすい
  • 繁忙時間帯の搬送待ち・台車不足の緩和につながる可能性がある

活用例3.パレットや重量物の水平搬送を自動化する

入荷したパレットを保管エリアへ運ぶ、完成品パレットを出荷待機場所へ移動するといった作業では、フォークリフトが使われることが一般的です。

パレット搬送の作業を分解すると、「荷物を持ち上げる」「目的地まで搬送する」「荷物を降ろす」という複数の工程があります。
これらを自動化する際、まず無人フォークリフトの存在が候補に挙がります。

無人フォークリフトは、パレットを床から直接持ち上げて搬送することができます。
パレット搬送の頻度が多い場合、無人フォークリフトでの自動化が効率的です。

また、ピッキングで搬送をAMRに任せるように、パレット搬送も「目的地まで搬送する」という部分だけ自動化するという手もあります(水平搬送)。

例えば、荷下ろしやラックへの格納は有人フォークリフトが担当し、倉庫内の長距離搬送だけを重量物対応のAMRに任せる方法があります。
入荷バースで有人フォークリフトがパレットを受け渡し位置へ置き、AMRが保管エリアまで搬送し、到着先ではパレットを受け取った別のフォークリフトがラックへ格納します。

フォークリフトが受け渡し位置にパレットを置く
AMRがパレットをピックアップし搬送する
受け渡し位置に置かれたパレットを、AMRがピックアップし搬送先に運びます。

フォークリフトが担う作業全体を自動化するほどではないという場合、このように水平搬送のみAMRに任せることで、フォークリフト作業者が荷役作業に集中しやすくなります。

この活用例のポイント

  • パレット搬送の頻度が多い場合、無人フォークリフトでの自動化が効果的
  • 搬送頻度がそれほど高くない工程でも、AMRを他の搬送ジョブと共用できる場合がある
  • 無人フォークリフトを導入するほどの頻度ではない場合も、重量物搬送の省人化を進められる

このような活用でお勧めの製品

床置きパレットの持ち上げから自動化する場合には、NIPPERのような無人フォークリフトが候補に挙がります。
より重量のあるものや、高い位置への搬送を自動化したい場合は、EAGLE-ANTが適しています。

水平搬送のみ自動化したい場合は、CARTI Low-ProfileシリーズのようなAMRが候補です。
CARTI Low-Profileシリーズは400kg、600kg、1,000kg、1,500kgの積載量に対応しています。
リフターで台車を持ち上げて搬送することが可能です。

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また、より高負荷な製造・物流用途では、OTTOシリーズにも600kg、1,200kg、最大1,900kgクラスまでのラインアップがあります。

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活用例4.製造工程間で半製品・ワークを搬送する

製造現場では、加工、組み立て、検査、調整、梱包など複数の工程があり、その間を半製品やワークが移動します。
加工機や検査設備が自動化されていても、工程間の搬送を作業者が台車で行っていれば、その移動に人手が必要です。

こうした工程間の搬送にAMRを活用すれば、作業者は完成した半製品を所定の受け渡し場所に載せ、搬送指示をするだけで、次工程までの移動をAMRに任せることができます。

AMRが次工程まで搬送する
作業者が半製品を受け渡し場所に載せAMRに指示する

また、搬送先が複数ある場合でも、AMRの運行管理システムからジョブを割り当てることで、1台または複数台のAMRを複数工程で共用することもできます。

この活用例のポイント

  • 工程間を人が台車で往復する作業を減らせる
  • 作業者を加工・組み立て・検査など本来の工程へ集中させやすい
  • 複数の搬送元・搬送先がある現場でもAMRを共用しやすい

このような活用でお勧めの製品

既存の製造設備や上位システムとの連携を含めて搬送を設計する場合には、OTTOのような製造業で実績のあるAMRが候補になります。
また、搬送物に合わせた専用治具やコンベヤ、リフターなどを組み込みたい場合には、カスタマイズ可能なMagicPorter Xのような選択肢もあります。

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活用例5.ワークセルや組立ラインへ材料を補充する

ワークセル生産や組立ラインでは、作業を止めないために必要な部品や材料を適切なタイミングで供給することが重要です。
作業者自身が材料を取りに行くと、その間は組み立て作業が止まります。
一方で、専任の搬送担当者を配置する方法もありますが、その分の人員が必要です。

そこで、必要な材料を載せたカートや棚をAMRで作業場所まで運び、空になった容器やカートを回収する方法があります。
呼び出しボタンなどでAMRを稼働させるシンプルなな運用から、生産計画や設備状況と連携して自動で搬送ジョブを発行する運用まで、現場に合わせた運用を構築できます。

AMRが空になったカートを回収する
AMRが材料を載せたカートを作業者に届ける
作業者が材料を受け取る
AMRは作業者の元に材料を載せたカートを届け、代わりに空になったカートを回収します。

特に、材料補充の頻度が高い現場や搬送先が複数ある現場では、複数地点を移動できるAMRの柔軟性が活きます。

この活用例のポイント

  • 組立担当者が材料を取りに行く時間を減らせる
  • 補充のタイミングを標準化し、材料切れによる待ち時間を減らしやすい
  • カート回収など往復の搬送までAMRへ任せられる

活用例6.パレタイザー・包装機など設備間の搬送を自動化する

AMRは、人との荷物の受け渡しだけでなく、コンベヤ、パレタイザー、包装機などの設備と組み合わせることで、設備間搬送の自動化にも活用できます。

例えば、パレタイザーで積み上げが完了したパレットをAMRが受け取り、ラッピングマシンまで搬送する。包装処理完了後に、今度は出荷待機場所へ運ぶといった運用が可能です。
搬送指示や各設備の稼働状況を連携させることで、人がその都度AMRを呼び出さなくても、一連の工程を自動で進められる構成も検討できます。

パレタイザーからAMRがパレットを受け取る
AMRが包装機まで搬送する
各設備間の搬送をAMRが自動で担います。

こうした用途では、AMRが目的地まで搬送できることだけでなく、設備との位置合わせに必要な停止精度、荷物を自動で受け渡すためのコンベヤやリフター、PLC・WMS・MESなど周辺システムとの連携が重要です。

この活用例のポイント

  • 設備と設備の間に残っていた有人搬送を自動化できる
  • 搬送だけでなく、荷物の受け渡しまで連続した自動化を検討できる
  • 高い停止精度や専用治具が必要な工程では、カスタムAMRが有効

このような活用でお勧めの製品

MagicPorter XはBlueBotics ANTを搭載し、標準仕様で繰返停止精度±10mmを実現しています。
コンベヤやリフターの搭載、外部システムとの連携など、搬送工程に合わせたカスタマイズが可能です。

また、OTTOもコンベヤ、自動ドア、WMS等を含むシステム連携を前提とした構成に対応しています。

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AMRの活用方法は「何を、どう受け渡すか」で決まる

ここまで6つの活用例を元に挙げたとおり、同じ「A地点からB地点への搬送」でも、必要なAMRは異なります。
ピッキング用の容器を運ぶのか、1,000kgのパレットを運ぶのか、床置きパレットを自分で持ち上げる必要があるのか、設備のコンベヤと自動受け渡しをするのかなどによって、車体やアタッチメント、制御方法が変わります。

そのため、AMRを検討する際には可搬重量だけで機種を選ぶのではなく、まず現在の搬送工程を分解することが重要です。

確認項目具体的に確認する内容
搬送物重量、サイズ、荷姿、重心、パレット・カート・容器など
搬送元・搬送先何地点を結ぶか、搬送先が固定か変化するか
受け渡し人が載せるか、AMRが持ち上げるか、設備と自動連携するか
処理能力1時間あたりの搬送回数、ピッキング行数、ピーク時物量
現場環境通路幅、床、傾斜、人・フォークリフトとの共存
システム連携WMS、MES、PLC、自動ドア、コンベヤ等との連携要否

搬送工程をこのように分解すると、下記のような対応関係で用途に合ったAMRを選びやすくなります。

1台のAMRを1つの仕事だけに固定しない

AMRの特徴の一つは、一台を特定の搬送業務だけに固定せず、複数の搬送ジョブへ柔軟に割り当てられることです。

例えば完成品のパレット搬送が1日に数回しか発生しない場合、そのためだけにAMRを待機させる必要はありません。
通常時は別の高頻度な搬送を担当させ、必要なタイミングで完成品搬送へ割り当てるといった運用が可能です。

特に物流倉庫や3PLでは、時間帯や荷主によって物量が変化します。
複数台のAMRを特定の荷主や工程ごとに固定するのではなく、倉庫全体の搬送リソースとして運用できれば、設備稼働率を高めやすくなります。

ただし、実際に複数の業務でAMRを共用できるかどうかは、車体の仕様だけでは決まりません。
運行管理システムやWMS等との連携方法がカギになります。
そのため、導入前にピーク時の搬送量を含めたシミュレーションを行うことが重要です。

まとめ:AMRは物流倉庫から製造工程まで幅広く活用できる

AMRは、物流倉庫のピッキング支援や検品・梱包工程への搬送、パレット・重量物搬送、製造工程間搬送、材料補充、設備間の自動搬送など、さまざまな構内物流で活用できます。

重要なのは、現場のすべてを一度に無人化しようとすることではありません。
現在人が担っている業務を、「判断・加工・ピッキング」などの人手が必要な業務と、「移動・搬送」などのAMRに任せられる作業に分け、まずは後者から自動化を進めることで、既存工程を活かしながら段階的な自動化を進められます。

弊社では、物流倉庫のピッキングや軽量物搬送に対応するCARTI 100、重量物の水平搬送に対応するCARTI Low-Profile、製造業で多数の搬送用途に対応するOTTO、カスタマイズ性と高い停止精度を持つMagicPorter Xなど、用途の異なるAMRを取り扱っています。
お客様ごとの現場の搬送物・受け渡し方法・システム連携を整理した上で、適した自動化方法をご提案いたします。
AMRの導入や構内物流の自動化をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

執筆・監修

執筆:スマート物流ライティングチーム

物流現場の課題解決に役立つ情報を、わかりやすくお届けしています。

監修:アルテック株式会社 物流システム営業部

自動倉庫や自動搬送ロボットをはじめとする、物流自動化ソリューションの提案・導入を担当。8年以上にわたり様々な現場の課題解決に携わってきた経験をもとに、本記事を監修しています。

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