KARDEX 自動倉庫 導入事例(フエニックス・コンタクト株式会社様)
Smart logistics column少量多品種な在庫管理に最適
1923年の創業以来、100年を超える長きに渡り、電力、データそしてネットワークの接続、分岐、制御の分野でさまざまな産業ニーズに沿った製品の開発・販売・サービスを提供してきたフエニックス・コンタクト株式会社。世界中に拠点を持つグローバル企業です。製造している製品はいまや10万点を優に超えており、日本のディストリビューションセンターにも常時 5,000~6,000種類の製品在庫が保管されています。そんな多品種に渡る製品在庫を効率よく、入出庫および管理するために、KARDEXの自動倉庫をご活用いただいています。
今回は神奈川県大和市にあるフエニックス・コンタクト株式会社 ディストリビューションセンターにお邪魔して、ロジスティクス部の 阿部様、横内様、そして広報・PR担当の横井様にお話しをうかがいました。
お客様情報
ディストリビューションセンター所在地:
〒242-0008
神奈川県大和市中央林間西 3-7-1 SOSILA 中央林間 4階
設 立:1923年(ドイツ本社)、1987年(日本法人)
所在地:ブロムベルク、ノルトライン=ヴァストファーレン(NRW)州(ドイツ本社)、神奈川県横浜市港北区(日本法人本社)
全世界の従業員数:21,000 名
全世界の売上:34億ユーロ(2023年現在)
主要事業:産業用接続部品、制御機器および通信機器の開発から製造、販売、サービスを提供する
海外支社:欧州、北南米、アジア、オセアニア、中東、アフリカなど世界55か国以上に展開
WEBサイト:https://www.phoenixcontact.com/ja-jp/
横内 大智 様(営業推進本部 ロジスティクス部 ウェアハウスグループ 課長)
横井 真理子 様(営業推進本部 経営企画部 広報・PR担当)
日々増え続ける生産品目
ー御社の事業について教えてください。
当社は 1923 年に創業し、昨年で 100 周年を迎えました。日本の現地法人も昨年で35周年です。アジアで初めて設立されました。世界でも 10 番目です。
生産拠点は世界で10か所にあり、その中で主要な工場はドイツ、中国、アメリカにあります。日本では8:2の割合でドイツと中国から輸入しています。
当社では様々な部材や装置、ソフトウェアなど提供している製品は多岐に渡ります。現在生産している品目数は 10 万点以上です。7 年ほど前には 6 万点だったのですが、爆発的に増えてきています。
また、細かなサイズ違いやバリエーションがたくさんある為、ここ日本のディストリビューションセンターにも常時 5,000~6,000 種類の在庫を保管しています。
KARDEX を知ったきっかけ
ー現在、KARDEX の自動倉庫を6台導入していただいていますが、KARDEX を知ったきっかけなどありましたらお聞かせください。
自動倉庫を採用する前段階では AGV を検討しており、効率の良いピッキング方法をいろいろと検証したのですが、どうにもこうにも少量多品種には合わないということになりました。24時間ロボットを動かすためには、24時間体制で人が張り付かないといけないということや、メンテナンスコストも莫大で、どう頑張っても費用対効果が出ないという結論に達しました。
それでドイツの本社に相談したところ、KARDEX SHUTTLE を勧められて知りました。KARDEX の自動倉庫は、欧米では数多く使われており、ドイツの本社でも問題なく使っているという実績もあったので、KARDEX の自動倉庫を検討する事になりました。
アルテックとの出会い
ーでは弊社アルテックとの出会いについてお聞かせ願えますか?
アルテックが KARDEX 社の日本の代理店ということを知って、ご連絡を差し上げたのが始まりです。
当社として、導入が決まっていたWMS(Warehouse Management System)と計量器付のピッキングカートと組み合わせて(同時に導入しました)の使用ができるカスタマイズを希望していました。それを伝えたところ、PPG *1(Power Pick Global)の多彩なオプションから機能を選んでシステムを構築し、PPG で作ったシステムと WMS とを組み合わせて、それを操作する画面を JMIF *2 にて作り上げる事で対応してくれました。
さらに操作画面のデザインも、こちらから特に指示したわけではないのですが、当社のイメージに近い、かっこいいデザインを提供してくれました。
アルテックなら当社の希望を叶えていただけるのではないかと期待して、アルテックにお願いすることにしました。
*1 PPG:KARDEX の自動倉庫を制御する為の独自ソフトウェア
*2 JMIF:外部システムの統合ツール
それぞれの現場に合わせた運用
ー実際に使ってみていかがでしたか?
保管効率という点では素晴らしい製品だと感じています。当社で使用しているピッキングカートとも上手く連携が出来ていますし、こちらの希望をかなり叶えてくれていると思っています。
実際に運用してみて出てきた改良点もありますが、こちらが希望する理想のゴールに向けて、引き続き対応いただけております。
ーピッキングする様子を見せていただきました。
ーとてもスムーズにピッキングされていました。使い勝手はいかがですか?
以前はあちこちに置いてある在庫を自分で取りに行かなければならなかったことを考えると、自動倉庫の前で待っていれば自動的に目の前に出してくれるのはとても楽です。
ピッキングするべき在庫がある区画をライトポインターで指し示してくれますし、タッチパネルの操作もわかりやすくて簡単です。
安全面にも配慮されていて、機械の稼働中に手を入れると、センサーが働いてストップする仕組みになっています。また、トレイの高さ設定を行う事により、トレイの仕切り板より物がはみ出していると、エラー検知もしてくれます。
ートレイに細かい仕切りがついていますね? これがすごく役に立っています。先程もお話しましたが、当社の在庫は少量多品種なので、ひとつのトレイになるべくたくさんの種類を入れる為に、無駄なスペースができないよう、絶妙な広さ、高さに調節しながら仕切りをつける必要がありました。 |
ひとつのトレイの中に、大中小と大きさの違う区画ができるように設置してあるでしょう?
これは入庫の効率を考えたもので、一度の入庫で大きさの違うものがあってもひとつのトレイですべて収納できれば時間の短縮になります。
この仕切り板もアルテックが理想的なタイプのものを探してきてくれて、人海戦術で設置までやってくれて、とても助かりました。
ー入庫作業はどういった手順で行なわれているのでしょうか?
入荷してくる製品は大きさがまちまちです。袋や箱に入ってくる小さな物もありますし、パレットで入荷してくる大きな物もあります。この自動倉庫に入れるのは小さな製品ですが、その中でもいろいろな大きさ、梱包形態があるので、大中小の区画がたいへん役に立つわけです。
それぞれの製品の大きさに合った区画に入れて、入れた区画の番地を記録するという方法で入庫作業を行っています。入庫の際には『一番空いているトレイを出す』という指示をして、なるべくひとつのトレイに入れられるようにしています。
各倉庫の使用率はディスプレイで見られるようになっているので、できるだけまんべんなく使用するように心がけています。
大きく進んだ現場のデジタル化
ー最後に KARDEX の自動倉庫に関して、全体的なご感想などお聞かせいただけますか?
KARDEX の自動倉庫を導入したことにより、かなりデジタル化を進めることが出来たと思います。 アルテックは導入後もいろいろとサポートしてくれるので助かっています。 我々も導入する際には導入事例を見たかったなという思いもあり、今回の取材を受けさせていただきました。今後導入を検討されている方のご参考になれば幸いです。
ー私どもも現場の奇譚のないご意見を伺えて大変勉強になりました。 本日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございました。
◆この事例に登場した製品◆
自動倉庫(シャトル式) Kardex Shuttle
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